Q&A

「生きづらさ」感じてませんか?それ、パーソナリティ障害かも?

みなさんこんにちは、A氏です。

「なぜ自分は周りの人に理解してもらえないんだろう?」
「なんだか生きづらさを感じる…」

そんな思いを抱えて過ごしているかた、いませんか?

もしかしたらそれ、パーソナリティ障害かもしれません!

今回はパーソナリティ障害について解説していこうと思います!

パーソナリティ障害とは?

「パーソナリティ障害」とは、パーソナリティに著しい偏りがあり、社会生活を送るのに支障をきたしている状態をいいます。

簡単に言うと、その人の性格の異常のために本人か社会が悩むものです。

パーソナリティ障害は本人が自覚することが難しく、周りからの誤解が生じやすくなります。

パーソナリティはその人の気質と性格が統合されたものであり、人は持って生まれる気質も経験もそれぞれ異なるので、パーソナリティもその人独自のものとなります。

性格と障害の違いとは

パーソナリティ障害の診断基準にはアメリカ精神医学会の『DSM-5診断基準』が使用されます。

パーソナリティ障害のある人は、偏った考えや言動のパターンがあり、それは青年期か成人期早期から現れ、それによって社会生活に問題が起きている人を言います。

薬物やケガによって症状が一時的にあらわれた場合とは違います。

パーソナリティ障害の症状

パーソナリティ障害にはどんな症状があるのでしょうか?
パーソナリティ障害は約10種類に分類されますが、共通する症状についてまとめてみました!

全か無か、両極端である

物事にはグレーゾーンや、あいまいな部分、良くも悪くもないこと、というものが存在します。しかし、パーソナリティ障害の人にはそれが理解できません。

物事の捉え方、考え方に柔軟性がないがために、゛ほどほど゛ができないのです。その極端さは人間関係にも問題を生むことがあります。

(例)ブログを始めようと新しいパソコンを買ったが上手く動作しない…。するとブログをやめてしまい、パソコンも捨ててしまう。

自分が良いと思うことは他人も良いと思っている

パーソナリティ障害のある人は、自分勝手な人だと評価されることがあります。確かに、パーソナリティ障害の人には、物事を自分中心に考えて行動する人も多くいます。
また自分が引き起こした悪い状況を周囲のせいにして、ストレスを一層感じることもあります。

(例)「みんなこの映画がみたいはずだ!」と勝手にチケットを買ったが、みんなはあまり興味がないみたい…。「なんでみんな理解してくれないんだ!お金も無駄にした!腹立つ!」

人を信じられない、人に安心感をもてない

人との関わりの中で、相手に対する信頼感、安心感は大切なものです。ところがパーソナリティ障害の人のなかには、それが持てない人がいます。

人と一緒にいると常に緊張してしまう、逆に表面上は付き合いが良くても、ある程度の仲になると、踏み込むのをやめてしまうなど。人を心の底から信用していないので、本当の意味で心を開くことが出来ません。あるいは、「愛している」「あなたが必要だ」といった言葉や態度を求め続けることもあります。

高いプライドと劣等感が共存している

パーソナリティ障害のある人の心には、高すぎるプライドと強い劣等感のどちらか、もしくは両方がみられることがあります。高いプライドがある人は、自分自身を理想化し、万能であるかのように思い込んでいることもあります。そのため常に周囲からの賞賛を期待します。

一方、強い劣等感がある人は、周囲からの評価や意見を過剰に気にしてしまい、強いストレスと受けたり、不安を感じたりします。

衝動的行動が発生することがある

衝動的行動をとる原因となるのは、感情のゆれが激しいこと、衝動のコントロールが適切にできないことにあります。

(例)長期間かけて進めてきたプロジェクト。あと少しで完了するところでトラブルが発生。少し修正すれば完了できた問題だったが、パーソナリティ障害のある人はひどく怒りだし、計画書をビリビリに破り捨て、そのまま帰ってしまった。

パーソナリティ障害を引き起こす要因


なぜパーソナリティ障害のある人は、パーソナリティに偏りを持ってしまうのか。その要因について話していきます。

生まれ持った気質と養育環境

幼少期に家庭で愛着関係が築かれていなかったり、虐待などがあって自分と他者との関係に信頼や愛情を見出すことができないと、大人になっても人への信頼感や安心感を持てなくなることもあります。

しかし、必ずしも養育環境が原因とは限りません。パーソナリティ障害と養育環境は単純に結び付けられるものではありません。

家族との関わり合い

生まれてからどのような環境で育ったかということは、パーソナリティ障害の人に限らず、パーソナリティの形成に大きな影響を与えます。

しかし、実際には完璧な養育環境は存在しないことが前提にあります。失敗や成功を繰り返しながら、試行錯誤で自分たちの養育のスタイルを作っていくのが理想です。

社会的要因

人は成長すると、やがて社会のなかに出ていきます。学校、職場、趣味の仲間など様々なタイプの人々と関わっていきます。

ところが人生には`トラウマ`となる辛い出来事が起こることがあります。虐待や、強要体験、犯罪被害、事故、病死、死別、災害などです。このようなトラウマとなるような体験は、パーソナリティの偏りを強くしてしまう1つの要因となります。

SNSの発達などによって人を序列化し勝ち負けが明確になりやすいシステムの中では、パーソナリティの偏りがより強くなってしまうこともあります。

発達障害

パーソナリティ障害の要因の一つとして、発達障害の存在を挙げることができます。発達障害の特性があるとそれにより、自分の気持ちを言葉にすることや他人の感情を想像することが苦手で、人といい人間関係を築くことが難しくなることがあります。

パーソナリティ障害の分類

パーソナリティ障害のタイプについて説明していこうと思います。

前述したDSM-5分類によると、パーソナリティ障害は10のタイプに分類されます。また、この10タイプは3つのグループ(クラスター)に分けられます。

クラスターA群

妄想性(猜疑性)パーソナリティ障害
統合失調質(シゾイド)パーソナリティ障害
統合失調型パーソナリティ障害

クラスターB群

境界性パーソナリティ障害
自己愛性パーソナリティ障害
反社会性パーソナリティ障害
演技性パーソナリティ障害

クラスターC群

依存性パーソナリティ障害
強迫性パーソナリティ障害
回避性パーソナリティ障害

それぞれのグループの特徴は?

クラスターA群

奇妙で風変わりなグループ。「人と打ち解けようとしない」という特徴があります。独特の考え方をしたり、疑り深いので、一人で行動することが多く、周囲からは「風変わりな人」と見られることが多いです。

自分からは社会と関わりを持とうとしないため、本人には問題意識がなく、パーソナリティ障害に気づかないケースもあります。

クラスターB群

演技的、情緒的で移り気なグループ。感情の起伏が激しく、周囲の人を巻き込んで、振り回してしまいトラブルとなることが多くあります。

派手な言動をとるのですが、実は心の底に不安定なものを抱えています。社会的ルールを平然と破ったり、攻撃的な行動を取る人もいます。

クラスターC群

不安で内向的なグループ。自分に自信がなく、問題に立ち向かうことや他人からの評価を避けようとします。誰かに頼りたいという気持ちが強く、自分で何も決められない人もいます。

逆に、自分のルールを守ろうとするあまり、周囲の人を無視するような振る舞いをする人もいます。

それぞれのパーソナリティ障害の特徴

グループに分けられたところで1つずつ特徴を簡単に説明します。

妄想性(猜疑性)パーソナリティ障害

人に対する不信感や猜疑感が強くなる

統合失調質(シゾイド)パーソナリティ障害

感情に温かみがなく、他者への関心が薄い

統合失調型パーソナリティ障害

奇妙で普通でない行動や思考を見せる

境界性パーソナリティ障害

感情や対人関係が不安定で衝動的行動をとりやすい

自己愛性パーソナリティ障害

周囲に尊大で傲慢な態度で接する

反社会性パーソナリティ障害

犯罪行為や暴力行為など反社会的な行動をとる

依存性パーソナリティ障害

他者へ過度に依存する

強迫性パーソナリティ障害

過度に几帳面で融通性に欠ける

回避性パーソナリティ障害

失敗を恐れて社会を避ける

以上のうち、医療機関や地域で問題になることが多いことでもっとも有名なのは、境界性パーソナリティ障害です。

パーソナリティ障害の治療


パーソナリティ障害の治療法には以下のものがあります。

薬物療法

パーソナリティ障害の薬物療法では、抗精神病薬、抗てんかん薬、抗不安薬、抗うつ薬を使用する場合があります。しかし、薬物療法は症状を一時的に抑えることを目的をしており、パーソナリティ障害の根本的な治療法ではありませんのでご注意を!

精神療法

持続的な変化が期待できる治療法です。心理面から働きかけて認知や行動パターンの偏りを正す「個人精神療法」、集団で行う「集団精神療法」、患者さんと家族の関係性を捉えなおすことで改善していく「家族療法」などがあります。これらは効果が明らかになるのに時間がかかることがあります。

最後に

パーソナリティ障害は「性格だから仕方ない」と障害への対応をせず放置してしまうケースが多いです。

しかし、本人や周囲の人の生活に困難があり、苦痛を感じているのであれば、治療を考えたほうがよいですね。

以上がパーソナリティ障害についてでした!

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A氏
A氏 看護師兼うつ病患者兼ブログ初心者 精神疾患に関するお役立ち情報を自身の体調とともにお送りします。

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